「財界」2024. 8. 28号

8月 24th, 2024

人の〝和〞の力

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

「信州蕎麦(そば)を食べるときにわさびに砂糖を合わせると、わさびの辛みがさらに効いて

とても美味しくなる。

「和」とは個だけでは得られない他とのめぐり合いで深い味を引き出すことです」(髙松氏)

古来から伝統ある木造建築において《塔組みは木組み/木組みは、木のくせ組み/木のくせ組みは、

人組み/人組みは、人の心組み/人の心組みは、棟梁(とうりょう)の工人への思いやり/

工人の非を責めず、己の不徳を思え》とある。

「塔組み」を「会社組織」におきかえれば木造建築の一本一本の木材の組み合わせが、

組織の一人ひとりの組み合わせと同じであるのが分かる。

「良材だけを選り分けて用いるのでなく、真っすぐな人間と癖のある人間とを

どう組み合わせていくか、それによって組織の強みが出せるのです。

言いかえれば人の〝和〞の力です」(髙松氏)

他社とは違った卓越性、特徴を強い突破力にするために、

力があり時には癖のある人材を組織の中で活かし、〝和〞の力を活用する同氏。

その更なる挑戦はこれからも続く。

「財界」2024. 8. 7号

8月 7th, 2024

〝 情 〞と〝 技術力 〞

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

今の時代はまさに合理化とスピード時代。

しかし社会が成熟すればするほど、人と人との「情」の結びつきが希薄になる傾向にもある。

「勝ち残る会社とは――第一に〝情〞の結びつきが強いこと。第二に他社を上回って

〝技術力〞が高いことです」(髙松氏)

社員との関係づくりにおいて距離を置くのではなく、社員に体を向けること。

一視同仁(いっしどうじん)、明るく、嘘がないこと。

合理的なスキルアップシステムを徹底すること。

公平にして無私――それが勝ち残る会社のトップには必須であり、人と人の〝情〞の

結びつきを強力なものにする基本であるとのことだ。

「あと、しいて言えば中途半端な考えはせず、部下にやりたいことを大いにやらせる。

出す物は思いきって出す(笑)。それと基本的に人が好きで信頼することです」と、

ユーモアのなかにも刺激的な言葉で人を引きつける同氏からは、

なぜか接していると人情の深さを垣間見ることができる。

「財界」2024. 7. 24号

7月 24th, 2024

〝想いやり〞

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

大企業と中小企業の格差は広がり、企業間の優劣が覆い隠せないほど歴然と表れる時代となった。

新しい時代を迎え各個人がしっかりと身を守り鍛え

「一人ひとりに何ができるのか」というテーマに対峙している。

企業経営を通して自分は社会にどんな貢献ができるか。

常に自問を続けるシステムセンターの髙松氏は、「決断と覚悟」の連続の中で生きてきた。

理想を求めて身を張って生きる。常に緊張感を持ち続ける人生である。

同氏は経営について大学や専門学校に入り師について学んだというのではない。

学友や仲間と意見や考えを出し合って相互啓発をしてきたというのでもない。すべて独学だ。

「わたしには完成形はないのです。だから自分で考え続けなければならないところで生きてきた。

信条は〝すぐやる、必ずやる、できるまでやる〞です」(髙松氏)

その生き様には今がある。ムーブメントにはスタイルがある。

けっして〝ぬるい〞生き方からは発生しない圧倒的なエネルギーは、内からのフィロソフィーの

噴出である。

しかし、そこには必ず〝想いやり〞が同席しているのである。

「財界」2024. 07. 10号

7月 10th, 2024

人との〝対話〞

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

すさまじいスピードを生き抜くことが要求される現在は、〝合理性とリスク〞〝拡張と消滅〞が

背中あわせの時代でもある。まさに戦国時代と言い切るのがシステムセンターの髙松氏である。

日々の合戦を優位にすすめるためには、

「人材の層の厚さに加え、ポイントを絞ったきめの細かい指令を適時、適所に

瞬時にゆきとどかせることです」と同氏。同社は社員に自由闊達に議論をさせている。

どんなに技術やシステムがあっても「人との対話」がなければ実りのあるものにはならないと

考えているからだ。そんな社内には社員のやる気と気迫が漲っている。

新時代が求める技術開発力を武器にプロフェッショナル集団として、

全力をあげて顧客企業をサポートすることが同社の使命である。その状況は、まさに日々合戦である。

「新しい技術やシステムも、人と人との交流、〝対話〞があって初めて実りあるものになる。

人と人との〝つながり〞こそ次の時代を生き抜く財産である」(髙松氏)

「財界」2024. 6. 26号

6月 26th, 2024

みえない隔たりをぶち壊す

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

会社の利益よりまず自己利益追求型の人間がとても増えたように感じる今日。

〝だけど、けれど〞でなんにもしない言い訳人間。損か得かがまず第一に頭に浮かぶ損得タイプ。

それらが新入社員に限らずベテラン上司の中にも多くいる組織はつらい。

さらに怒れない上司が増えている傾向にあるようにも感じる。

人と人の真の心のつながりとは?と自問が続く。

そんな中「人のシステム」との評判をとり38年を積み重ねてきた会社がシステムセンターである。

『一日一日を大切に一つひとつの仕事、一人ひとりの人のつながりを真剣にと土台を築いてきた』

(髙松氏)

同氏は潜在しながらも未発掘の個性の力を引き出し組織化し、会社の統率と力を強くする役目を

大いに果たす。

また修身斉家(しゅうしんせいか)を基礎とし同じ釜の飯を喰う時空をなるべく多く作り

『人と人の間にある、みえない隔たりをぶち壊していく名人』でもある。

一見非効率とも見える〝人の絆〞を足掛かりに成長してきた同社は、38年の歩みが証明する

本当の意味での根の生えた組織といえるようだ。

「財界」2024. 6. 12号

6月 12th, 2024

『他のせいにしない』

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

1986年3月の設立時から意識改革運動がすでに始まっていたシステムセンター。

38年目の今も「まだまだ道半ば。これからどんどん改革を進め企業存続の限り永遠に改革は続く」

というスタンスを崩さない同社。

この数年、流通業界のみならず外食、繊維・アパレル、日用品雑貨、電気代など

様々なものの値上がりが続いた。

値上がりはいったんは消費者の気持ちがはなれる事もある。さらに給料アップが追いつかない現実。

コンピューター業界も同じで一人ひとりの高い技術力と〝人間力〞をいかに高め追求するかが

明暗を分ける。

単にマニュアルに頼るのではなく自分の体験として汗をかき、恥もかき、涙し、足をつらせ、

腹も立ち、苦しみもがき……。

「『虎の巻』は自分で汗をかき自分でつくれ!!そうすれば自然と不振の原因を他のせいにしない

組織体質ができ上がっていく」と喝破する髙松氏。そして愚直にまっすぐに社内に呼びかけ続ける。

そんな背中からは一日一日を勝負していく組織力の強さと信頼がハッキリと見えてくる。

「財界」2024. 5. 29号

5月 29th, 2024

〝ほうれんそう〞

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

「安心できる幹部や社員は、ほうれんそうがうまいし、その大切さをよく理解している。

言動が的を射ており話すタイミングと内容もコンパクトに凝縮されている。

もうひとつ、ほうれんそうが重要なのは、お互い同士の力を、気持ちを、悩みを、

仕事のカベを分かち合いそして現在進行形の情報共有という安心感と自分の方向軸の確認が

できること。それは人の組織を強固にし、組織の〝スピード〞をも生むものです」(髙松氏)

このような姿勢は同社の社員に共通しており、一人ひとりの人間に対する信頼の想いが

ベースにあるように感じられる。

いつの間にか社会には「利害」に傾斜した「ギブ・アンド・テイク」の風潮が広がりつつあるが、

バーチャルでなく生身の人と人の会話から生まれる〝エネルギー〞や〝癒し〞といった力を

貴重なものと捉え、それを経営推進の基調とするのがシステムセンターである。

いいかえれば「言霊のキャッチボール」や「人情」が同社を社会にとって必要かつ必然の存在として

いくような、共同体の風土をつくっているのである。

「財界」2024. 5. 15号

5月 15th, 2024

『共に生きる』

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

人間にとっての豊かさの意味とは何か。また持続可能な循環型社会をどのように作っていくか。

そんな難しいテーマを前に人々は従来の生き方を見直す必要性に迫られている現代。

その現代社会では機械設備などのモノよりも、知的財産を生み出すヒトの価値が高まっている。

ヒトという、とらえどころのない経営資源をどう活かすかがこれからの経営者の最重要課題でもある。

企業とは? 社会とは? 原点にかえり改めて考え、見据える必要がある。

人を大切にし「礼」に報いる「心」の経営姿勢を貫くシステムセンターの髙松氏は

『当社は社員一人ひとりが、やる気と素直さを持って仕事に注力できる会社環境を、

まず整えることからスタートしました』と語る。

それは同社の明めい鏡きょう止し 水すいな「焼酎」づくりにもにじみ出ている。

〝コンピュータ経営資源供給企業〞だけにとどまらない「心」を供給し発信するのが、

同社の神髄であるかの様に感じる。

「財界」2024. 4. 24号

4月 24th, 2024

〝渾身(こんしん)〞と〝覚悟〞

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

社会が成熟すればするほど、変化の幅が激しければ激しいほど、基軸がガンと定まった組織、

芯のぶれないトップの理念が企業の生き残りの決め手となる。

システムセンター髙松氏のその芯は、鳳おおとり啓助氏の内弟子になった時から形成される。

時に二十一歳、八年間いた厳しい芸の世界を通じて「何ごとにも〝渾身〞でうちこめ」

「〝覚悟〞を決めてかかれ」ということに気づいた。

それがどんなことでも渾身を込め、覚悟を決めれば、人の心を打ち動かすものになると実感したのだ。

まさにそういう姿は美しいとさえ感じるものである。

挙措進退(きょそしんたい)にまで気配りの日々である芸の道において、身と心にしみついた

〝渾身〞の意味。渾身とは、からだ全体、全身、満身をもって事に当たるということ。

そこに雑念はなく、保身もない。ひたすらにぶつかっていく。

傍から見れば、こんなおそろしい奴はいない。

こうして、仕事においても人のつき合いにしてもビジネスにおいても、その芯がぶれない

基礎が創られた。社員の仕事に取り組む姿勢や気構えにも、とても厳しく教育に注力する。

その結果、磐石な組織、変化に即対応できる芯のしっかりした組織ができ上がった。

同氏はさらっと言う。「うそ、ごまかしのないのが、一番強いですよ」と。

「財界」2024. 4. 10号

4月 10th, 2024

〝一瞬〞

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

〝合理性とリスク〞〝拡張と消滅〞が背中あわせの時代に、徒手空拳でのし上がってきたのが

ソフトウェア開発を手掛けるシステムセンターだ。

その特徴として挙げられるのはシステム環境別に細分化し、生産性などの向上を追求しながら、

ユーザーの環境に応じて瞬時に対応できるようにした同社独自の体制づくりがある。

また〝社長〞が〝天職〞という髙松氏の信念は〝その一瞬にこそ、巻き返しのチャンスあり〞。

「勝っている時は油断が生まれるが、負けている時にあきらめなければ、必ず巻き返しの

チャンスがほんの一瞬だけ生まれる。そのほんの一瞬をものにするかしないかが勝負を分ける。

成功と失敗を分けるのは、紙一重の差しかない。企業においても、個人一人の生き方においても

まったく同じことがいえます」(髙松氏)

ほんの〝一瞬の勝敗〞

それは、波乱の半生を歩んできた髙松氏の生き方の反映かもしれない。