「財界」2015.2.24号

〝人に任せる〞それは〝信頼〞のなせるワザ

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

日々心身ともに消耗し疲れきってしまうほど、1年365日が合戦だという経営トップがほとんどだ。

しかし、それでは身がもたない。自社の浮沈にかかわる経営戦略を練る余裕もないだろう。

だからこそ、トップの分身を創り〝任せる経営〞〝任せる分野〞をうまくコントロールできれば、

こんな力強いことはない。

会社を大きく前進させられるかどうかは、トップが組織に〝信頼〞できるキーマンを創り

〝任せる〞ことができるかどうかにかかっている。

「自分より一つすぐれたものをもつ人にその分野をすべて任せる。

任せなければ企業は発展できない。

各部門に少なくとも一人、信頼できる〝人〞が陣営を強く固めているのが望ましい。

真に〝信頼〞し〝任せられる〞人がいれば組織は磐石です」

「私は私同様にその人を信用しています」(髙松氏)

人の器の大きさ、深さを感じさせる同氏は自然体で日々を送る。

今日も信頼できる仲間と共に〝嘘をつかず〞〝一歩一歩ていねいに〞をモットーに真剣に

一日一日を生きている――そんな男の背中を社員に見せる同氏である。

 

150224

「財界」2015.2.10号

「人情の機微」「人材の重要性」を知る
上昇志向集団へと

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

システムセンターの髙松氏は人の話に熱心に耳を傾ける。

その姿は謙虚で、時には刺激的なユーモアをまじえながら応答し、時間のたつのを忘れさせる。

1952年、山口県岩国市でこの世に生をうける。

兄2人と姉の4人兄弟の末っ子。父はとても厳格できびしく、

「男は後ろに引くな」と、幼い心に叩きつけられた。

高校を卒業後、鳳啓助氏の内弟子に。NHKの漫才コンクール新人賞を受賞。

きびしい師弟関係の世界に身をおき、「人に笑われるような人間にだけはなるな、

人を笑わせる(幸せにさせる)人間になれ」を信条とするに至る。

やがて「同じ人を喜ばすにしても、その場の一時的なお笑いだけでなく、

もっと日常的な長期的な、たとえば生活とか仕事とか、それらをとりまく環境とか、

もっと深い人間の根本的なものに触れたいと、いろんな人々との出逢いも手伝って志がかたまった」(髙氏)

と、起業への思いを熱くしていった。

8年間いた漫才界から身をひきその後、多種多様な職を経験しながら、

1986年3月、名古屋でマンションの一室を借りて8人でシステムセンターを設立。33歳のときだった。

先頭をきって突っ走る髙松氏の背中に、人は何かを感じながらその背中を追っかける。

意気に感じる人が一人、また一人と現れ、いつしか盤石な上昇志向集団が生まれた。

さらに、人材のネットワーク化と、事業のシステム化へと進展していった。

コンピュータのソフト開発という最先端の業務でありながらも、

「人材の重要性」を知り、「人情の機微」を大切にしてきたのは、やはり一個の人間として、

それまでの人生経験が蓄積されているからだろう。