「財界」2016.6. 21号

人と人の隔り、見えない壁をぶち壊す

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

ネットワークに関連する新技術が続々と開発され続け、AI(人工知能)が囲碁の世界トップに勝利する今日。

『一日一日を大切に一つひとつの仕事、一人ひとりの人のつながりを真剣に』という哲学を基に、

会社の土台を築いてきたシステムセンターの髙松氏。

同氏は潜在的な個性の力を引き出しそれを組織力と統率力に昇華する。

また何事にもオープンな人間関係を基礎とし、同じ釜の飯を喰う機会と時間をできるだけ多く作り、

人と人の隔たり、見えない壁をぶち壊していく。

一見、非効率ともいえる〝人の絆〞に着目する同社は30年の歩みが証明するように、

本当の意味で大地に根を下ろした組織といえる。

160621

「財界」2016.6. 7号

人は自分の事が一番わからない

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

ベンチャー起業家が兄事する一人に、システムセンターの髙松氏が挙げられる。

人を魅きつけるのは琴線に触れホロッとさせる同氏の気風の良さ、

人情の厚さのせいだけではない。

会社を守り人を束ねる根本的な〝何か〞があるからだ。

髙松氏の自訓は〝人の心は変わる〞〝人は自分の事が一番わからない〞。

時に人は調子に乗り欲が出るもの。

そんな時こそおのれを戒めねばならないが、流れに弱いのは人の常。

だからこそ、人であれ組織であれトップの使命は大事に至る前に

〝アリの一穴〞を逸早く探知する眼である。

穴が大きくなってから怒り心頭に発して地団駄ふんでも後の祭り、

企業も人も一瞬でフッ飛ぶご時世、誰もたすけてくれない。

「基本的には〝この人は〞と想えばとことん信用し信頼し裸の付き合いが始まり仕事も任せます。

私は人にも自分にも嘘はつきません。

唯一嘘といえるのは、人の言動でまだアリの一穴にも至らない

小さなものは気づいても気づかない振りをするくらいでしょうか(笑)」(髙松氏)

そのあたりのサジ加減はやはり30年にわたる経営の中での

破天荒な体験や失敗から生まれたものかもしれない。

髙松氏の「同じ失敗を二回繰り返さなければいいんだ、

何も難しく考えすぎる事はない」とつぶやく言葉は自分自身に言い聞かせているようでもあり、

人の皮膚感覚にも響く。

0607