投稿者「c15tdrd4」のアーカイブ

「財界」2013.8.27号

― 人間軸経営―

経営にとっての人ではなく 人にとっての経営

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

「我が社でなければできないこと、我が社だからできること」をとことん追求し

「夢をかなえる楽しさ」「楽しさを見出せる会社」に愚直とも見える正攻法で、

一歩ずつ前進するのがシステムセンターだ。

同社の特徴はただ優れた技能を持つ集団というのではなく、

毎日を豊かにする存在として「夢」を原動力にして、

文字通り一歩ずつゆっくりと成長し前進していく姿勢を持つこと。

夢を少しずつ現実のものにしていき、どこにも負けない

〝結束力〞と〝厳しさ〞と〝楽しさ〞を持ち合わせた組織である。

もう一つ同社の髙松氏が力説するのは、「人をすでに出来上がった

〝機能〞として評価してそれを使いこなす感覚でなく、

それぞれの中に潜在的にある力が引き出せるように関わる、

という姿勢への転換にある」という。

肝心の〝人〞創りを徹底しないで、

目先の利益に振り回されるような経営ではすぐにメッキがはがれるということだ。

私利私欲を超えた〝志〞と相手を〝信じ続けること〞の大切さが人を開花させ、

盤石な組織を創り上げる土台となっているのだ。

「財界」2013.8.6号

三つの〝人の信頼〞が生む

〝顧客から声のかかる〞会社

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

「攻めの経営」「持たざる経営」「心の経営」と表現されるシステムセンターは1986年、

当時はまだ〝ユビキタス〞や〝IT長者〞という言葉もない時代に創立。

8名での名古屋の小さな古いマンション一室からのスタートだった。

人心を掌握し人をまとめる力には自信があるものの、SE派遣業の新会社には

大きく三つの〝人の信頼〞を強固なものにしていかねばならなかった。

ひとつは言うまでもなく我が城であるシステムセンター8名の結束。

ふたつめは高いスキルとすぐれたSE技術者、そして三つ目は顧客であった。

「〝仕事人間〞を自称し優秀なSEの人材集めと顧客との人間関係、

信頼関係を創るべく走り回った。何回も邪心を払い除け答えを見つけるまで走り続けた。

答えが見つかるのが先か道半ばに倒れるのが先か――」(髙松氏)

文字通り自殺行為に近い労働時間、夜は夜で接待と……

8名の社員の結束も盤石になり暗闇を打ち消し、もう迷いはなかった。

答えの方が先にやってきた。

名も実績もない会社の一人ひとりの捨て身の営業と情報収集が、

顧客の琴線にとどき仕事の発注が決まりだした。

苦難の末に光明を見出し〝契約が持続〞する仕事が増えるとともに、

〝顧客から声がかかる〞会社へと次のステップを定めることとなる。

まさに〝信頼の経営〞と言われる由縁である。

「財界」2013.7.23号

「いざ」という時にその人の真の姿が見える

〝逃げない、こびない、ごまかさない〞

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

一日一生、日々重大な決断に直面しながら、一刀両断の覚悟をもって行動、

磐石な組織を実現したのがシステムセンターである。

髙松氏は、企業理念として、企業たるもの利益の追求は当然ながら、

組織とは自己の能力を高め合う場でなくてはならない、

一人ひとりが高い目標を掲げ、楽しく幸せに向上していかなければならないとしている。

仕事の技術やスキルの向上もそうだが心構えや心の持ちようも、大いに大切と考えている。

目先の利益のみを追うのではない。

「鼎の軽重を問われて初めてその人の価値が分かるものである」(髙松氏)とも言う。

通常では分からないが〝いざ〞という時にその人の真の姿が見えるという事。

その時のために会社も自己も鍛えねばならない。

さらに〝逃げない、こびない、ごまかさない〞̶̶そういう人の集まった組織へと築き上げている。

同氏の洞察力はすごみさえ感じられる。

また、人の話をよく聞き理解しようと努力する。

時おりユーモアの中にも刺激ある言葉で相手を納得させる力もみせる。

その力が同社を強くし若手起業家から兄事される由縁である。

「財界」2013.7.9号

― 頭でなく心で感じろ

その人のために今何ができるか常に自問

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

毎日がストレスと時間と体力との戦い。

優先順位をつけ合理的に算段する現代社会。

人と会い費やす時間も自ずと制限されてしまう。

いかに多忙でもこの人とは会いたい、

時間をなんとか作って話したいと思える経営者がいる。

こちらの心を見透かされながらも心洗われる気持ちにする男が、

システムセンターの髙松氏である。

同氏は苦労人である。

夢を大きく持ち続けている。

明るくめげない。時間に厳しい。

スパッとした気風と決断力をかねそなえている。

「頭でなく“心で〞」とよく言う。

その“心で”とは、近頃の基準でいえばむずかしい。

しかし、味読すれば汲めども尽きない泉のような深い含蓄がある。

「人が観ていなくても、また義務や理屈でもなく“心で”感じ

その人のために今何ができるのか常に自問した」(髙松氏)

計算で当意即妙を見せつけるのでなく、文字通り真裸になり、

相手のためにもてなしの精神で体当たりする。

何か人と違ったマネのできない破天荒ぶりが人を魅了し開襟させるのだ。

頭だけで考えるならできない言動も、心だからこそ生まれるのか……。

言葉では説明しがたい“もてなしの精神”、

マニュアルやテキストに頼るのではなく、

野性味ある直感の鋭さも武器とする同社のDNAは、

社員一人ひとりにも伝わっていくのである。

「財界」2013.6.25号

― 笑われるな 笑わせろ―

〝渾身〟という言葉の意味を知った

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

世界の産業界は、若返りと国際化がさらに進んでいる。

社会が成熟すればするほど、変化の幅が激しければ激しいほど、

基軸がガンと定まった組織、芯のぶれないトップの理念が企業の生き残りの決め手となる。

システムセンター髙松氏のその芯は、

鳳啓助氏の内弟子になった時から形成される。

時に21歳、8年間いた厳しい漫才界では

「人に笑われるような人間にだけはなるな、人を笑わせる男になれ」

「何ごとにも〝渾身でうちこめ」と教えられた。

それがどんなことでも渾身を込めれば、

人の心を打ち動かすものになると実感したのだ。

まさにそういう姿は美しいとさえ感じるものである。

挙措進退にまで気配りの日々である芸能界において、身と心にしみついた

〝渾身の意味。

渾身とは、からだ全体、全身、満身をもって事に当たるということ。

そこに雑念はなく、保身もない。

ひたすらにぶつかっていく。

傍から見れば、こんなおそろしい奴はいない。

こうして、仕事においても人のつき合いにしてもビジネスにおいても、

その芯がぶれない基礎が創られた。

社員の仕事への取り組み姿勢や気構えにも、

とても厳しく教育に注力する。

その結果、磐石な組織、変化に即対応できる芯のしっかりした組織ができ上がった。

同氏はさらっと言う「私は冗談一つを発するにしても命かけてますからね」と。

「財界」2013.6.11号

組織の根幹をなすのは

一人ひとりの力

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

「生きものの細胞組織も会社の組織も同じで、

悪いウィルスにでも良いウィルスにでもどちらにも周りが感染する。

がんばる人がいれば周りも感化され影響される」

人、一人ひとりの存在と影響(感染)をとても重要視するのがシステムセンターの髙松氏だ。

その洞察力、先読みの鋭さは共に苦労する社員にも向けられる。

「北京で一羽の蝶々が羽ばたくと、ニューヨークでハリケーンが生じる」とは

複雑系の理論、カオス理論でよく語られるたとえ話だが、

蝶々の羽ばたきというごくわずかな気流の乱れが巨大な嵐を引き起こす。

すなわちミクロの“ゆらぎ”が予想をはるかに超えたマクロの変化をもたらす。

組織の中の一細胞でもゆるがせにはできない理由だ。

一人ひとりの強い結束と前向きなスタンスはもちろんのこと、

人の良さを引き出し自信を持たせるには

“心のヒダ”まで入り込まねばダメだと同氏は力説する。

それは一人の影響力をとても重視するからこそである。

大きな転換期にある日本。

これを乗り切るためには、発想の転換とそれを行動に移して

成果を上げさせていくためのマネジメントが必要である。

いかに時代が千変万化しようとその根幹になくてはならないもの、

それはなんといっても一人ひとりの力である。

「財界」2013.5.28号

“合理的”なスキルアップシステムと

「情」の結びつき。そのバランスが重要

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

『今の時代』はまさに合理化とスピードの時代。

しかし、社会が成熟すればするほど、

人と人との「情」の結びつきが希薄になる傾向もある。

「勝ち残る会社とは―― 第一に、“情”の結びつきが強いこと。

第二に、他社を上回って技術力が高いことです」(髙松氏)

社員との関係づくりにおいて、距離を置くのではなく、社員に体を向けること。

さらに、適材適所を徹底し、嘘をつかない。

一視同仁、明るく嘘がないこと。

公平にして無私―― それが勝ち残る会社のトップには必須であり、

人と人の“情”の結びつきを強力なものにする基本であるとのことだ。

「あと、しいて言えば、中途半端な考えはせず、

部下に対して大いに得をさせる。

出す物は思いきって出す(笑)。

それと基本的に人が好きで信頼することですね」と、

ユーモアのなかにも、刺激的な言葉で人を引きつける同氏だが、

なぜかいつも、このトップと接していると人情深さを垣間見ることができる。

「財界」2013.5.14号

〝とことん尽くしまくれ〟
〝本音で〟ものごとにあたれ

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

尽くすこともなく与えられることばかりを求めている風潮。

または与えられることを目的に尽くす風潮。

さらには目的のためにしか行動しない、

という考え方に接することが多い今日。

そんな時代に反して〝とことん尽くしまくる髙松氏は

常に「各人が自分の本音で仕事をし、

精一杯本心でものごとにあたれ」と気を吐く。

同氏は1952年4月、山口県岩国市でこの世に生をうける。

兄2人と姉の4人兄弟の末っ子。

父はとても厳格で「男は後ろに引くな」と平生の心構えを幼い心に叩き込んだ。

〝命がけの闘争心!が小さい心に宿るきっかけとなる。

「自分にも他人にもけっして嘘はつかない」を信条とする。

〝人は常に裸になれと多感期に心身共にしみこむ。

社会に出て多様な職を経験、多くの個性的な経営者と出会った。

1986年3月、名古屋でマンションの一室を借りて8人でシステムセンターを設立。

勤倹力行、33歳のときだった。

結果として興した事業を地域に定着させ業績を大きく伸ばし有能な人材、

業務のエキスパートを彼の周りに集めることを実現させたのだ。

さらに人材のネットワークを組み事業をシステム化させた。

コンピュータのソフト開発という最先端の業務でありながらも、

人材の重要性を知り人情の機微を大切にしてきたのは、

やはり過去の経験が蓄積されているからだろう。

「人」を大切にし「礼」に報いる「心」の経営が誕生したのである。

「財界」2013.4.23号

及ばざるは過ぎたるにまされり

愚直とも見える正攻法で一歩ずつ前進

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

企業トップの経営判断が厳しく問われる時代である。

そんな中、「マネジメントというものは、

個々の人の幸せをテーマにしていなければならない」とは、

システムセンターの髙松氏。

「人の一生は、重荷を負ひて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。

不自由を常に思えば不足なし、心に望み起こらば困窮したる時を思ひ出すべし。

堪忍は無事長久の基、怒りを敵と思へ。

勝つことばかり知りて負くる事を知らざれば害その身に至る。

おのれを責めて人を責めるな、及ばざるは過ぎたるにまされり」

とは徳川家康の遺訓で、彼の人生観や人間像を読み取ることができる。

「及ばざるは過ぎたるにまされり」

というのは、幸せは分にありということであり、満足を知れということである。

マネジメントの要諦も結局はそこにいたるのである。

人の幸せをベースに各人に「自分の分を知れ」「自分の使命をはたせ」

「愚直に少しずつでも前へ進め」と叱咤するのだ。

決して、社員を一律に管理し、無理矢理にでも成果を出させようとするものではない。

このことを髙松氏は、自分にも言いきかせ

“一日一日を社員と共に生きている”経営者である。

「財界」2013.4.9号

人を使うのではない
人を作っていくのが真の経営道

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

今の時代。

ITが社会に根深く浸透し、それは便利で合理的。

しかも瞬時に大量の情報が処理される。

しかし効率第一ですまないのが人間。

何かが失われていると痛感することが多い。

バーチャルな時代だからこそ、人と人とのつながりが貴重になる。

もう一度、人としての心の本質を見つめることが、

現代には大切になっているのではないか。

「本物技術」の追求をテーマに、スキルアップした一人ひとりの人間力と

一糸乱れぬ盤石な組織力を誇るシステムセンターは、

名古屋のど真ん中に本社の陣を布く。

その陣頭に立つ髙松氏は、礼儀と率直さを基調とした真剣勝負の毎日だ。

なぜなら、トップの求心力こそがまさに、ものを言う時代であるからだ。

ではいったい、社員の心をトップに集中させるため、

核となる経営者は日々、何を実践するべきか。

「それは人の価値作り、その人の持っている真の価値作りに経営資源を注ぎ、

一人ひとりを良き方向へ脱皮させ、心を感じることのできるリーダーを育てること。

人生の目標と夢を持てる人の集まりとすること」(髙松氏)。

言い換えれば、社員一人ひとりが持っているはずの率直な心と能力を

開発していくこと ―― これこそが、経営者の仕事であるという。

「経営は人を使うことでなく、人を作っていくこと」という発想が根底にあるのだ。

経営の中に道を作り、経営道を完成させること。同社のチャレンジは今日も続く。