「財界」2015.2.10号

「人情の機微」「人材の重要性」を知る
上昇志向集団へと

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

システムセンターの髙松氏は人の話に熱心に耳を傾ける。

その姿は謙虚で、時には刺激的なユーモアをまじえながら応答し、時間のたつのを忘れさせる。

1952年、山口県岩国市でこの世に生をうける。

兄2人と姉の4人兄弟の末っ子。父はとても厳格できびしく、

「男は後ろに引くな」と、幼い心に叩きつけられた。

高校を卒業後、鳳啓助氏の内弟子に。NHKの漫才コンクール新人賞を受賞。

きびしい師弟関係の世界に身をおき、「人に笑われるような人間にだけはなるな、

人を笑わせる(幸せにさせる)人間になれ」を信条とするに至る。

やがて「同じ人を喜ばすにしても、その場の一時的なお笑いだけでなく、

もっと日常的な長期的な、たとえば生活とか仕事とか、それらをとりまく環境とか、

もっと深い人間の根本的なものに触れたいと、いろんな人々との出逢いも手伝って志がかたまった」(髙氏)

と、起業への思いを熱くしていった。

8年間いた漫才界から身をひきその後、多種多様な職を経験しながら、

1986年3月、名古屋でマンションの一室を借りて8人でシステムセンターを設立。33歳のときだった。

先頭をきって突っ走る髙松氏の背中に、人は何かを感じながらその背中を追っかける。

意気に感じる人が一人、また一人と現れ、いつしか盤石な上昇志向集団が生まれた。

さらに、人材のネットワーク化と、事業のシステム化へと進展していった。

コンピュータのソフト開発という最先端の業務でありながらも、

「人材の重要性」を知り、「人情の機微」を大切にしてきたのは、やはり一個の人間として、

それまでの人生経験が蓄積されているからだろう。