「財界」2009.10.27号

「約束は絶対守る」成功と失敗を分けるのは紙一重の差しかない

システムセンター社長
髙松 修身
Takamatsu Osami

コンピュータ関連のソフトウェア開発、技術者派遣を手がけ、
全国を征野として邁進するシステムセンター。 その生き様を探る

システムセンターの髙松社長に接していて、とても強く感じる事のひとつに、「時間厳守」がある。「約束した事は、何が何でも必ず守る」という、愚直とも言える氏の姿勢のあらわれだろうか。
具体的なエピソードをひとつ挙げると、あるベンチャーの新進企業トップから「髙松社長にぜひお会いしたい。紹介を頼む」と申し込まれ、「それではまずは『財界』のパーティの席ではありますが、そこでお顔合わせを」と話が進んだ。
パーティ当日の二日前から髙松社長は過労と風邪でかなりの高熱を発していた。
高熱で寝込むまでになったにもかかわらず、同社の名古屋本社から、東京のパーティ会場まで約束どおり時間前に、笑顔をくずさずかけつけた。
相手企業のトップにも、また、紹介者にも顔をたてる、いつもの心遣いが光った。
心の琴線に触れることで人をより喜ばせ、より近づけることができる、と永い経験を通じて気づかされてきた髙松社長。
事業を興した際にも、まず顧客と同僚を喜ばすことを第一義と考えた。人を魅きつけるコツを知悉している彼は、事業者や経営者、従業員の心をつかむことに砕身努力した。個人の魅力を企業としての輝きへと昇華させることに成功したといえる。結果として興した事業を地域に定着させ、業績を大きく伸ばし、有能な人材、業務のエキスパートを彼の周りに集めることに成功したのだ。さらに、人材のネットワークを組み、事業をシステム化させた。
コンピュータのソフト開発という最先端の業務でありながらも、人財の重要性を知り、人情の機微を大切にしてきたのは、やはり経営者としての天性の資質を備えた人物だからだろう。