「財界」2013.8.6号

三つの〝人の信頼〞が生む

〝顧客から声のかかる〞会社

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

「攻めの経営」「持たざる経営」「心の経営」と表現されるシステムセンターは1986年、

当時はまだ〝ユビキタス〞や〝IT長者〞という言葉もない時代に創立。

8名での名古屋の小さな古いマンション一室からのスタートだった。

人心を掌握し人をまとめる力には自信があるものの、SE派遣業の新会社には

大きく三つの〝人の信頼〞を強固なものにしていかねばならなかった。

ひとつは言うまでもなく我が城であるシステムセンター8名の結束。

ふたつめは高いスキルとすぐれたSE技術者、そして三つ目は顧客であった。

「〝仕事人間〞を自称し優秀なSEの人材集めと顧客との人間関係、

信頼関係を創るべく走り回った。何回も邪心を払い除け答えを見つけるまで走り続けた。

答えが見つかるのが先か道半ばに倒れるのが先か――」(髙松氏)

文字通り自殺行為に近い労働時間、夜は夜で接待と……

8名の社員の結束も盤石になり暗闇を打ち消し、もう迷いはなかった。

答えの方が先にやってきた。

名も実績もない会社の一人ひとりの捨て身の営業と情報収集が、

顧客の琴線にとどき仕事の発注が決まりだした。

苦難の末に光明を見出し〝契約が持続〞する仕事が増えるとともに、

〝顧客から声がかかる〞会社へと次のステップを定めることとなる。

まさに〝信頼の経営〞と言われる由縁である。