「財界」2012.10.16号

〝人〞との良き出逢いが〝人〞を成長させる

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

システムセンターの髙松氏は人の話を熱心によく聞く。

その姿は謙虚で、時には刺激的なユーモアをまじえながら応答し、

時間のたつのを忘れさせる。

1952年、山口県岩国市でこの世に生をうける。

兄2人と姉の4人兄弟の末っ子。

父はとても厳格できびしく、「男は後ろに引くな」と、幼い心に叩きつけられた。

高校を卒業後、鳳啓助氏の内弟子に。

NHKの漫才コンクール新人賞を受賞。

きびしい師弟関係の世界に身をおき、

「自分にも他人にもけっして嘘はつかない」を信条とする。

「同じ人を喜ばすにしても、その場の一時的なお笑いだけでなく、

もっと日常的な長期的な、たとえば生活とか仕事とか、

それらをとりまく環境とか、もっと深い人間の根本的なものに触れたいと、

いろんな人々との出逢いも手伝って志がかたまった」(髙松氏)

8年間いた漫才界から身をひき、その後、多種多様な職を経験し、

1986年3月名古屋でマンションの一室を借りて、8人でシステムセンターを設立。

33歳のときだった。

先頭をきって突走る髙松氏の背中に、人は何かを感じながらその背中を追っかける。

いつしか盤石な上昇志向集団が生まれた。

さらに、人材のネットワーク化と、事業のシステム化へと進展していった。

コンピュータのソフト開発という最先端の業務でありながらも、

人材の重要性を知り、人情の機微を大切にしてきたのは、

やはり一個の人間として、それまでの経験が蓄積されているからだろう。