「財界」2022. 11. 16号

11月 16th, 2022

命がけで土俵に上がれ

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

システムセンターの髙松氏は人の話に熱心に耳を傾ける。その姿は謙虚で、時には刺激的なユーモア

をまじえながら応答し、時間のたつのを忘れさせる。

幼少の頃から厳格な父に、「男は後ろに引くな」と叩き込まれた。

高校を卒業後、鳳啓助氏の内弟子に。NHKの漫才コンクール新人賞を受賞。

きびしい師弟関係の世界に身をおき、日々多くの人と出逢いいろいろな経験をしていく中で、

その場の一時的なお笑いだけでく、日常的に人を笑わせる(幸せにさせる)ようなもっと深い

人間の根本的なものに触れていくようになる。

8年間いた漫才界から身をひき、その後もたくさんの「人情の機微」に触れ、1986年3月、

名古屋でマンションの一室を借りて8人でシステムセンターを設立。

先頭をきって突っ走る髙松氏の背中に、人は何かを感じながらその背中を追っかける。

同氏が放つ不思議な魅力に一人、また一人と引き寄せられいつしか盤石な上昇志向集団が生まれた。

どんな分野であれ「人情の機微」を知る同氏だからこそ自分自身のみならず、

周りの魅力をも引き出せるのかも知れない。

「財界」2022. 11. 2号

11月 2nd, 2022

『時間』

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

〝信頼できる〞――――この思いを人は、どういう時に強く感じるのだろうか。

ビジネスマンが人と人との仕事を通して〝信頼できる人〞だ〝信頼できる会社〞だと実感し、

安心してビジネス交流を続けてゆける第一条件とは何だろうか。

やはり〝信頼できる〞基本は「時間」に正確であることだろう。

対応が素早く、いつでもどこでも必ず担当者と遅滞なく連絡がとれるということだ。

決して会社のブランドや規模の大小ではない。

この事においてシステムセンターを例に挙げるのは、徹底した時間厳守を基本姿勢としているからだ。

筆者と同社との、この二十七年間において一度もアポイントメントや仕事上での進行日程を、

同社が守れなかったという体験がない。細かな事柄でも必ず瞬時に返事や回答が返ってくる。

スピードがあり活気に満ちた対応をしてくれる。連絡においても繋がらなかったことはない。

具体的には、重要な会議中であろうが社内にいる時は電話中、来客中でない限り電話口にでる。

〝相手に対する礼〞へのこだわりは社員教育で徹底され、全社員の行動にゆきわたっている。

「良きリーダーと彼に心酔する同伴者(社員)」がいる、目を見張る強い組織力を感じる会社である。

「財界」2022. 10. 19号

10月 19th, 2022

人との〝対話〞

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

すさまじいスピードを生き抜くことが要求される現在は、〝合理性とリスク〞〝拡張と消滅〞が

背中あわせの時代でもある。まさに戦国時代と言い切るのがシステムセンターの髙松氏である。

日々の合戦を優位にすすめるためには、「人材の層の厚さに加え、ポイントを絞ったきめの細かい

指令を適時、適所に瞬時にゆきとどかせることです」と同氏。

同社は社員に自由闊達に議論をさせている。どんなに技術やシステムがあっても「人との対話」が

なければ実りのあるものにはならないと考えているからだ。そんな社内には社員のやる気と気迫が

漲っている。

新時代が求める技術開発力を武器にプロフェッショナル集団として、全力をあげて顧客企業を

サポートすることが同社の使命である。その状況は、まさに日々合戦である。

「新しい技術やシステムも、人と人との交流、〝対話〞があって初めて実りあるものになる。

人と人との〝つながり〞こそ次の時代を生き抜く財産である」(髙松氏)

「財界」2022. 10. 5号

10月 5th, 2022

逆境にあってこそ人生を考えることが出来る

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

社会の動きや産業界の流れを見ていると、その変化、スピードはまるで何かにせきたてられているかの

ように加速度的に速まっている。保守的、前例踏襲的経営では、もはや立ちゆかないのだ。

言いかえれば、いままでの価値観や発想を一度すべて打ちこわして、別の角度や視点から観てかかる

ことが、経営においても社員教育においても必要である。それを成しうるのが〝奇業家〞であり、

まさに今こそ奇業家が活躍する時代なのである。

「いのちの尊さも、人の脆もろさも、情の有り難さも、逆境にあって真剣に考えることができる」

(髙松氏)

今の時代を泳ぐ奇業家である髙松氏は、その奇の部分が天性のものか、または培われたものかは

分からないが、新しい時代の新しいタイプの経営者であることは間違いない。

人それぞれ一つは必ず持っている美点、優れた能力を引き出す才能に関しては抜群の本能を発揮し、

一人ひとりと裸で真っ向から向きあい、その人たちの力となり、お互いが向上しながら人間ならではの

強固なつながりを生み出す。そういう素直な関係づくり仲間づくりを通して、積み残しのない生き方を

日々、虚心坦懐に自分に課している経営者である。

「財界」2022. 9. 21号

9月 21st, 2022

『共に生きる』

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

人間にとっての豊かさの意味とは何か。また持続可能な循環型社会をどのように作っていくか。

そんな難しいテーマを前に人々は従来の生き方を見直す必要性に迫られている現代。

その現代社会では機械設備などのモノよりも、知的財産を生み出すヒトの価値が高まっている。

ヒトという、とらえどころのない経営資源をどう活かすかがこれからの経営者の最重要課題でもある。

企業とは? 社会とは? 原点にかえり改めて考え、見据える必要がある。

人を大切にし「礼」に報いる「心」の経営姿勢を貫くシステムセンターの髙松氏は

『当社は社員一人ひとりが、やる気と素直さを持って仕事に注力できる会社環境を、

まず整えることからスタートしました』と語る。

それは同社の明めい鏡きょう止し 水すいな「焼酎」づくりにもにじみ出ている。

〝コンピュータ経営資源供給企業〞だけにとどまらない「心」を供給し発信するのが、

同社の神髄であるかの様に感じる。

「財界」2022. 9. 7号

9月 7th, 2022

〝人〞にかえる

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

バーチャル世代、まさに無機質社会のまっただ中。だからこそ〝人〞にかえり〝人〞の教育と

〝技術〞の向上にさらに注力しなければならない。

コンピュータのソフトウエア開発とSE技術者派遣を手掛けるシステムセンターは、

1986年、名古屋で創業し東京本部であるニューオータニビジネスコートの一角から

関東以北をにらみつつ、大阪、さらに上海へと展開した。

「〝人〞が財産であるこの業界では、技術者の人材育成がもっとも重要なテーマである」(髙松氏)

システムセンターの強みは〝人間力〞と〝技術者のレベルの高さ〞にあり、

これがコーポレートカラーでもある。

同社の社員の対応のよさ、マナーのよさは広く知られており、スピードと効率を心得て

間然とするところがない。

スタッフのはきはきとした態度やあいさつの徹底など基本は勿論のこと、

深くすぐれた教育がなされていることには定評がある。

その力を引き出すのは、論理を越えたトップの生き方にある。

「財界」2022. 8. 24号

8月 24th, 2022

〝紙一重の差〞

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

〝合理性とリスク〞〝拡張と消滅〞が背中あわせの時代に、

徒手空拳でのし上がってきたのがソフトウェア開発を手掛けるシステムセンターだ。

その特徴として挙げられるのはシステム環境別に細分化し、生産性などの向上を追求しながら、

ユーザーの環境に応じて瞬時に対応できるようにした同社独自の体制づくりがある。

また〝社長〞が〝天職〞という髙松氏の信念は〝その一瞬にこそ、巻き返しのチャンスあり〞。

「勝っている時は油断が生まれるが、負けている時にあきらめなければ、

必ず巻き返しのチャンスがほんの一瞬だけ生まれる。

そのほんの一瞬をものにするかしないかが勝負を分ける。

成功と失敗を分けるのは、紙一重の差しかない。企業においても、個人一人の生き方においても

まったく同じことがいえます」(髙松氏)

ほんの〝一瞬の勝敗〞

それは、波乱の半生を歩んできた髙松氏の生き方の反映かもしれない。

「財界」2022. 8. 3号

8月 3rd, 2022

『考えるな! 感じろ!』

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

毎日がストレスと時間と体力との戦い。優先順位をつけ合理的に算段する現代社会。

人と会い費やす時間も自ずと制限されてしまう。

いかに多忙でもこの人とは会いたい、時間をなんとか作って話したいと思える経営者がいる。

こちらの心洗われる気持ちにさせる男が、システムセンターの髙松氏である。

同氏は苦労人である。夢を大きく持ち続けている。明るくめげない。時間に厳しい。

スパッとした気風と決断力をかねそなえている。「頭でなく〝心で〞」とよく言う。

その〝心で〞とは、近頃の基準でいえば、むずかしい。

しかし、味読すれば汲めども尽きない泉のような深い含蓄がある。

「人が観ていなくても、また義務や理屈でもなく〝心で〞感じその人のために

今何ができるのか常に自問した」(髙松氏)

計算で当意即妙を見せつけるのでなく、文字通り真裸になり、

相手のためにもてなしの精神で体当たりする。まさに、『考えるな! 感じろ!』である。

マニュアルやテキストに頼るのではなく、野性味ある直感の鋭さも武器とする同社のDNAは、

社員一人ひとりにも伝わっていく。

「財界」2022. 7. 20号

7月 20th, 2022

人の和の力

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

他社とはまた違った特徴を会社の強い武器にするには?

古来からの木造建築に仮託してこういう金言がある。

《塔組みは木組み/木組みは、木のくせ組み/木のくせ組みは、人組み/人組みは、

人の心組み/人の心組みは、棟とう梁りょうの工人への思いやり/工人の非を責めず、

己れの不徳を思え》「塔組み」を「会社組織」におきかえれば、木造建築の一本一本の

木材の組み合わせが組織の一人ひとりの組み合わせと同じであるのが分かる。

「良材とくせ木を選り分けて用いるのでなく、真っすぐな人間と癖のある人間とを

うまく競わせ組み合わせていく。つまり、いろんなタイプの人材を組織の中で活かす。

それぞれの違いを受け入れ調和させることにより、より深い味わいを引き出す人の

〝和〞の力によって、組織に厚みと特徴が出てくるのです」(髙松氏)

時には癖のある人材を組織の中で活かすことも、経営トップの力量でありトップが

取るべき方策である。

「財界」2022. 7. 6号

7月 6th, 2022

逃げない こびない ごまかさない

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

名古屋に本社を置くシステムセンターは、「コンピュータ経営資源供給企業」として

その高い技術力と信頼性を強い基盤としている。

同社の強さの秘密を解く鍵は髙松氏の『逃げない、こびない、ごまかさない』という

精神にあるようだ。しかもこの精神が会社の根底にぶれることもなく脈々と根付いている。

取引先に対し正直な対応をするということから非常に大きな信頼を得、

安心感を与え仕事の依頼が増えていく。

その反面、相手が取引先であっても自分が正直な姿勢を貫いているという確固たる信念の下、

決しておもねることなく、譲ることのできない一線を守ることにより、取引先との

〝真剣味ある絆〞を維持している。

これがともすれば取引先の意向に押しつぶされていく企業が多い中で、

同社が健全な経営を押し進めていく原動力となっている。

また、髙松氏は社員一人ひとりがそれぞれのポジションで全力を尽くせる環境作り、

人の温もりと血のかよった強い組織作りにも注力している。

『逃げない こびない ごまかさない』―同社の非凡にして愚直な信条である。