「財界」2023. 3. 8号

3月 8th, 2023

人間の軸

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

「我が社でなければできないこと、我が社だからできること」をとことん追求し

「夢をかなえる楽しさ」「楽しさを見出せる会社」に愚直とも見える正攻法で、

一歩ずつ前進するのがシステムセンターである。

その同社の特徴は技能を磨きながら、毎日を豊かにする存在として「夢」を原動力にし、

文字通り一歩ずつゆっくりと確実に成長していく姿勢を持つこと、と言える。

夢を少しずつ現実のものにしていき、強い〝結束力〞と〝厳しさ〞と〝楽しさ〞を

持ち合わせた組織といえる。

もう一つ同社のトップが力説するのは「人をすでに出来上がった〝機能〞として評価して

その技能を使いこなす感覚でなく、それぞれの中にある潜在力を引き出せるように関わる。

そうやって人を生かし、会社の和の力となっていく」という。

肝心の〝人〞創りを徹底しないで、目先の利益に振り回されるような経営ではすぐに

メッキがはがれるということだ。

私利私欲を超えた〝志〞と相手を〝信じ続けること〞の大切さが人を開花させ、

盤石な組織を創り上げる土台となっている。

「財界」2023. 2. 22号

2月 22nd, 2023

〝情〞と〝技術力〞

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

今の時代はまさに合理化とスピード時代。しかし社会が成熟すればするほど、

人と人との「情」の結びつきが希薄になる傾向にもある。

「勝ち残る会社とは――第一に〝情〞の結びつきが強いこと。

第二に他社を上回って〝技術力〞が高いことです」(髙松氏)

社員との関係づくりにおいて距離を置くのではなく、社員に体を向けること。

一視同仁(いっしどうじん)、明るく、嘘がないこと。

合理的なスキルアップシステムを徹底すること。

公平にして無私――それが勝ち残る会社のトップには必須であり、人と人の〝情〞の

結びつきを強力なものにする基本であるとのことだ。

「あと、しいて言えば中途半端な考えはせず、部下にやりたいことを大いにやらせる。

出す物は思いきって出す(笑)。

それと基本的に人が好きで信頼することです」と、ユーモアのなかにも刺激的な言葉で

人を引きつける同氏からは、なぜか接していると人情の深さを垣間見ることができる。

「財界」2023. 2. 8号

2月 8th, 2023

〝ほうれんそう〞

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

「安心できる幹部や社員は、ほうれんそうがうまいし、その大切さをよく理解している。

言動が的を射ており話すタイミングと内容もコンパクトに凝縮されている。

もうひとつ、ほうれんそうが重要なのは、お互い同士の力を、気持ちを、悩みを、仕事のカベを

分かち合いそして現在進行形の情報共有という安心感と自分の方向軸の確認ができること。

それは人の組織を強固にし、組織の〝スピード〞をも生むものです」(髙松氏)

このような姿勢は同社の社員に共通しており、一人ひとりの人間に対する信頼の想いが

ベースにあるように感じられる。

いつの間にか社会には「利害」に傾斜した「ギブ・アンド・テイク」の風潮が広がりつつあるが、

バーチャルでなく生身の人と人の会話から生まれる〝エネルギー〞や〝癒し〞といった力を

貴重なものと捉え、それを経営推進の基調とするのがシステムセンターである。

いいかえれば「言霊のキャッチボール」や「人情」が同社を社会にとって必要かつ必然の存在として

いくような、共同体の風土をつくっているのである。

「財界」2023. 1. 25号

1月 25th, 2023

〝いざ〞という時にその人の真の姿が見える

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

一日一生、日々重大な決断に直面しながら一刀両断の覚悟をもって行動、磐石な組織を

維持しているのがシステムセンターである。

髙松氏は企業理念として『企業たるもの利益の追求は当然ながら、組織とは自己の能力を

高め合う場でなくてはならない、一人ひとりが高い目標を掲げ楽しく幸せに向上して

いかなければならない』としている。

仕事の技術やスキルの向上もそうだが心構えや心の持ちようも大いに大切と考えている。

目先の利益のみを追うのではない。

『鼎(かなえ)の軽重を問われて初めてその人の価値が分かるものである』(髙松氏)。

通常では分からないが〝いざ〞という時にその人の真の姿が見えるという事。

その時のために会社も自己も鍛えねばならない。

さらに〝逃げない、こびない、ごまかさない〞――そういう人の集まった組織へと

同社は築き上げられていく。

「財界」2023. 1. 11号

1月 11th, 2023

〝渾身(こんしん)〞という言葉の意味
〝覚悟〞という生き方

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

社会が成熟すればするほど、変化の幅が激しければ激しいほど、基軸がガンと定まった組織、

芯のぶれないトップの理念が企業の生き残りの決め手となる。

システムセンター髙松氏のその芯は、鳳おおとり啓助氏の内弟子になった時から形成される。

時に二十一歳、八年間いた厳しい芸の世界を通じて「何ごとにも〝渾身〞でうちこめ」

「〝覚悟〞を決めてかかれ」ということに気づいた。それがどんなことでも渾身を込め、

覚悟を決めれば、人の心を打ち動かすものになると実感したのだ。

まさにそういう姿は美しいとさえ感じるものである。

挙きょ措そ 進しん退たいにまで気配りの日々である芸の道において、身と心にしみついた〝渾身〞

の意味。渾身とは、からだ全体、全身、満身をもって事に当たるということ。

そこに雑念はなく、保身もない。ひたすらにぶつかっていく。

傍から見れば、こんなおそろしい奴はいない。こうして、仕事においても人のつき合いにしても

ビジネスにおいても、その芯がぶれない基礎が創られた。

社員の仕事に取り組む姿勢や気構えにも、とても厳しく教育に注力する。

その結果、磐石な組織、変化に即対応できる芯のしっかりした組織ができ上がった。

同氏はさらっと言う。「うそ、ごまかしのないのが、一番強いですよ」と。

「財界」2022. 1. 4号

1月 4th, 2023

及ばざるは過ぎたるにまされり

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

企業トップの経営判断が厳しく問われる時代である。そんな中「マネジメントというものは、

個々の人の幸せをテーマにしていなければならない」(髙松氏)

「人の一生は、重荷を負ひて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。

不自由を常に思えば不足なし、心に望み起こらば困窮したる時を思ひ出すべし。

堪忍は無事長久の基、怒りを敵と思へ。

勝つことばかり知りて負くる事を知らざれば害その身に至る。

おのれを責めて人を責めるな、及ばざるは過ぎたるにまされり」

とは徳川家康の遺訓で、彼の人生観や人間像を読み取ることができる。

「及ばざるは過ぎたるにまされり」というのは、幸せは分にありということであり、

満足を知れということである。マネジメントの要諦も結局はそこにいたるのである。

人の幸せをベースに各人に「自分の分を知れ」「自分の使命をはたせ」

「愚直に少しずつでも前へ進め」と叱咤するのだ。

決して社員を一律に管理し、無理矢理にでも成果を出させようとするものではない。

このことを髙松氏は、自分にも言いきかせ〝一日一日を社員と共に生きている〞経営者である。

「財界」2022. 12. 7号

12月 7th, 2022

一人ひとりの力

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

生きものの細胞組織も会社の組織も同じで、悪いウィルスにでも人の役に立つウィルスにでも

どちらにも周りが感化される。がんばる人がいれば周りも感化され影響される。

人、一人ひとりの存在と影響をとても重要視し、すばやくキャッチするのがシステムセンターの

髙松氏だ。その洞察力、先読みの鋭さは共に苦労する社員にも向けられる。

『北京で一羽の蝶々が羽ばたくと、ニューヨークでハリケーンが生じる』とは複雑系の理論、

カオス理論でよく語られるたとえ話だが、蝶々の羽ばたきというごくわずかな気流の乱れが

巨大な嵐を引き起こす。すなわちミクロの〝ゆらぎ〞が予想をはるかに超えたマクロの変化を

もたらす。組織の中の一細胞でもゆるがせにはできない理由だ。

「一人ひとりの強い結束と前向きなスタンスはもちろんのこと、人の良さを引き出し自信を

持たせるには〝心のヒダ〞まで入り込まねばダメだ」と同氏は力説する。それは一人の影響力を

とても重視するからこそである。

いかに時代が千せん変ぺん万ばん化か しようとその根幹になくてはならないもの、

それはなんといっても〝一人ひとりの力〞である。

「財界」2022. 11. 16号

11月 16th, 2022

命がけで土俵に上がれ

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

システムセンターの髙松氏は人の話に熱心に耳を傾ける。その姿は謙虚で、時には刺激的なユーモア

をまじえながら応答し、時間のたつのを忘れさせる。

幼少の頃から厳格な父に、「男は後ろに引くな」と叩き込まれた。

高校を卒業後、鳳啓助氏の内弟子に。NHKの漫才コンクール新人賞を受賞。

きびしい師弟関係の世界に身をおき、日々多くの人と出逢いいろいろな経験をしていく中で、

その場の一時的なお笑いだけでく、日常的に人を笑わせる(幸せにさせる)ようなもっと深い

人間の根本的なものに触れていくようになる。

8年間いた漫才界から身をひき、その後もたくさんの「人情の機微」に触れ、1986年3月、

名古屋でマンションの一室を借りて8人でシステムセンターを設立。

先頭をきって突っ走る髙松氏の背中に、人は何かを感じながらその背中を追っかける。

同氏が放つ不思議な魅力に一人、また一人と引き寄せられいつしか盤石な上昇志向集団が生まれた。

どんな分野であれ「人情の機微」を知る同氏だからこそ自分自身のみならず、

周りの魅力をも引き出せるのかも知れない。

「財界」2022. 11. 2号

11月 2nd, 2022

『時間』

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

〝信頼できる〞――――この思いを人は、どういう時に強く感じるのだろうか。

ビジネスマンが人と人との仕事を通して〝信頼できる人〞だ〝信頼できる会社〞だと実感し、

安心してビジネス交流を続けてゆける第一条件とは何だろうか。

やはり〝信頼できる〞基本は「時間」に正確であることだろう。

対応が素早く、いつでもどこでも必ず担当者と遅滞なく連絡がとれるということだ。

決して会社のブランドや規模の大小ではない。

この事においてシステムセンターを例に挙げるのは、徹底した時間厳守を基本姿勢としているからだ。

筆者と同社との、この二十七年間において一度もアポイントメントや仕事上での進行日程を、

同社が守れなかったという体験がない。細かな事柄でも必ず瞬時に返事や回答が返ってくる。

スピードがあり活気に満ちた対応をしてくれる。連絡においても繋がらなかったことはない。

具体的には、重要な会議中であろうが社内にいる時は電話中、来客中でない限り電話口にでる。

〝相手に対する礼〞へのこだわりは社員教育で徹底され、全社員の行動にゆきわたっている。

「良きリーダーと彼に心酔する同伴者(社員)」がいる、目を見張る強い組織力を感じる会社である。

「財界」2022. 10. 19号

10月 19th, 2022

人との〝対話〞

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

すさまじいスピードを生き抜くことが要求される現在は、〝合理性とリスク〞〝拡張と消滅〞が

背中あわせの時代でもある。まさに戦国時代と言い切るのがシステムセンターの髙松氏である。

日々の合戦を優位にすすめるためには、「人材の層の厚さに加え、ポイントを絞ったきめの細かい

指令を適時、適所に瞬時にゆきとどかせることです」と同氏。

同社は社員に自由闊達に議論をさせている。どんなに技術やシステムがあっても「人との対話」が

なければ実りのあるものにはならないと考えているからだ。そんな社内には社員のやる気と気迫が

漲っている。

新時代が求める技術開発力を武器にプロフェッショナル集団として、全力をあげて顧客企業を

サポートすることが同社の使命である。その状況は、まさに日々合戦である。

「新しい技術やシステムも、人と人との交流、〝対話〞があって初めて実りあるものになる。

人と人との〝つながり〞こそ次の時代を生き抜く財産である」(髙松氏)