「財界」2011.05.24号
複眼で多視覚を持ち
人の〝和〞の力を引き出せ
システムセンター社長
髙松 修身
Takamatsu Osami
社会のいかなる変動にもすばやく柔軟に対応できる組織があればこそ、
会社の盤石化があり、他社とは違った卓越性、特徴を強い武器にできるのである。
そのために、力があり、時には癖のある人材を組織の中に
活かすことも経営トップが注力すべきことである。
古来から伝統ある木造建築において《塔組みは木組み/木組みは、
木のくせ組み/木のくせ組みは、人組み/人組みは、人の心組み/
人の心組みは、棟梁の工人への思いやり/工人の非を責めず、己の不徳を思え》とある。
「塔組み」を「会社組織」におきかえれば、木造建築の一本一本の木材の
組み合わせが組織の一人ひとりの組み合わせと同じであるのが分かる。
「良材とくせ木を選り分けて用いるのでなく、真っすぐな人間と癖のある人間とを
どう組み合わせていくか、それによって組織の強みが出せるのです。
言いかえれば人の〝和〞の力です」(髙松修身氏)
〝信州蕎麦を食べるときに、わさびに砂糖を合わせると、わさびの辛みがさらに効いて美味しくなる。〞
髙松氏の言葉は〝「和」とは個だけでは得られない他とのめぐり合いで深い味を引き出す〞ことを示唆している。
人の〝和〞の力を引き出し、複眼での多視覚がものをいう時代である。
ホテルニューオータニ、ビジネスコート内にある同社のラウンジ。
酸素バーと“高月”もある、人と人とのいやしと交流の空間。組織の結束も強まる。