「財界」2011.06.07号

花をささえる幹、幹をささえる根、
根は見えない

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

人間の勤勉さの度合いは文化によって異なるが、

平均的な労働時間はフランス人が年に一六四六時間、

アメリカ人が一九五七時間、日本人が二○八八時間だ。

勤勉ではあるが〝お人好し〞といわれがちな、

そんな日本人の現代社会のキーワードのひとつに

〝自己責任〞という言葉が強調される。

企業も個人も自分の身は自分で守る時代を迎えたということでもある。

克己復礼を旨としている髙松氏のリスクヘッジは、目を見張るものがある。

十分に時間をかけた上で思い切って実行するその行動力には

〝スピード〞と〝異大な発想〞、それに強い信念が伴う。

その言動、スピードには幹部たちも時に煙に巻かれてしまう。

髙松氏は常に社内、社外、同業他社、モノのトレンドに敏感で、

その洞察力を強力な武器としている。

一見すると無手勝流のようにも見えるが、

よく見れば人をささえる「人間味」と「技術力」をさらに成長させ、

各コンピュータ技術と設計技術が有機的に統合される

複合技術(マルチエンジニアリング)を開発し、確立した。

それはまさに周到な発想による経営戦略と〝根〞に徹底した理念に基づく進展である。

地道に人をささえるシステムセンターの「人間味と技術力」の

融合の追求が顧客に「信頼」される秘密のようにも見える。

ホテルニューオータニ、ビジネスコート内にある同社のラウンジ。

酸素バーと“高月”もある、人と人とのいやしと交流の空間。組織の結束も強まる。