「財界」2009.05.26号

「人材のネットワーク化と事業システム化を追求
さらに出版を加え世界を視野に入れた構想がスタート」

フラットな組織力を重視。定着率の高い社員。同社が長い間培ってきた絆を、見事に浮き彫りにしているように見受けられる、<システムセンター>の躍進の秘密を探る。

システムセンター社長
髙松 修身
Takamatsu Osami

コンピュータのソフトウェア開発とSE技術者派遣を手掛けるベンチャー企業、それがシステムセンターだ。昭和六十一年、名古屋で創業し、東京、大阪、さらに上海へと展開した。

その陣頭指揮をとるのが、創業社長の髙松修身氏。「技術者派遣という業務は、ただ優秀な技術を持った人間を派遣すればいいというものではない。海外でも技術者に対して求めるのは、顧客に尽くすことができる人格を併せ持った技術者だ」

同社は㈱音羽出版(本社 埼玉県坂戸市、東京事務所 千代田区神田駿河台、肥留間正明社長)と提携し、出版業界とITとの本格的な融合で、新展開をスタートした。「顧客が求める新しい技術を素早くフレキシブルに提供するのが、わが社の役目。そのために、プロフェッショナルな技術者集団を作り上げた。それが、他社を圧倒する企業競争力の源泉となり、成功した要因になった」と分析する。企業競争力の源泉となるプロフェッショナルな技術者集団、それを作り上げるものこそ、すなわち人材教育である。人材、社員教育こそ経営のイロハに属する。しかも髙松社長は「わが社では、技術者一人に対しての、最新、最先端の技術、高度な知識取得に力を注ぐ」

要は、短期間で、より高度で専門的な最新の技術を身に付け、すぐさま顧客に提供するのが、大きな狙い。このため技術者には、弛まぬ技術・知識向上という自己革新が迫られる。つまり「社員全員が《自己革新を共通使命とする》ことから、わが社ならではの人づくりが始まる」(同社長)

それゆえ、同社の技術者たちからは、研究開発にかける意気込みと、最新・最先端の技術をどん欲に学ぼうとする姿勢がにじみ出る。《より高度な判断力と技術力を発揮し、顧客に信頼される優秀な技術者になろう》――その自己革新という共通使命の積極的な推進こそ、同社躍進の秘訣といえそうだ。

高い「知識」=原動力をかねそなえており、信頼のおけるエキスパートを「知恵」=実際の行動力で使いこなしてこそ、本当の強い企業になるとの信念で世界展開に闘志を燃やす。