「財界」2015.9.22号
〝渾身(こんし ん)〞という言葉の意味
〝覚悟〞という生き方
システムセンター社長
髙松 修身
Takamatsu Osami
世界の産業界は、若返りと国際化がさらに進んでいる。
社会が成熟すればするほど、変化の幅が激しければ激しいほど、
基軸がガンと定まった組織、芯のぶれないトップの理念が企業の生き残りの決め手となる。
システムセンター髙松氏のその芯は、鳳啓助氏の内弟子になった時から形成される。
時に二十一歳、八年間いた厳しい漫才界では「何ごとにも〝渾身〞でうちこめ」
「〝覚悟〞を決めてかかれ」と教えられた。
それがどんなことでも渾身を込め、覚悟を決めれば、
人の心を打ち動かすものになると実感したのだ。
まさにそういう姿は美しいとさえ感じるものである。
挙きょ措そ 進しん退たいにまで気配りの日々である芸能界において、
身と心にしみついた〝渾身〞の意味。
渾身とは、からだ全体、全身、満身をもって事に当たるということ。
そこに雑念はなく、保身もない。ひたすらにぶつかっていく。
傍から見れば、こんなおそろしい奴はいない。
こうして、仕事においても人のつき合いにしてもビジネスにおいても、
その芯がぶれない基礎が創られた。社員の仕事に取り組む姿勢や気構えにも、
とても厳しく教育に注力する。
その結果、磐石な組織、変化に即対応できる芯のしっかりした組織ができ上がった。
同氏はさらっと言う。「うそ、ごまかしのないのが、一番強いですよ」と。