「財界」2020. 5. 27号
アリの一穴
システムセンター社長
髙松 修身
Takamatsu Osami
企業は自己を防衛するだけでなく競争に勝ち抜いていかねばならない。まさに何でもありの土俵で
緊張感ある経営を迫られている。そんな時代だからこそ大事に至る前に〝アリの一穴〞を逸早く
探知する眼が重要となる。
穴が大きくなってから怒り心頭に発して地団駄ふんでも後の祭り、企業も人も一瞬でフッ飛ぶ時代、
誰もたすけてくれない。
「基本的には〝この人は〞と思えばとことん信用し信頼し裸の付き合いが始まり仕事も任せます。
私は人にも自分にも嘘はつきません。唯一嘘といえるのは、人の言動でまだアリの一穴にも至らない
小さなものは気づいても気づかない振りをするくらいでしょうか(笑)」(髙松氏)
そのあたりのサジ加減はやはり34年にわたる経営の中での破天荒な体験や失敗から生まれたもの
かもしれない。
髙松氏の「同じ失敗を二回繰り返さなければいいんだ、何も難しく考えすぎる事はない」
とつぶやく言葉は自分自身に言い聞かせているようでもあり、人の皮膚感覚にも響いてくる。