「財界」2009.09.08号
創業者にとって幸運に恵まれることもそうだが、
それ以上に、人生で経験した諸々の事象を鋭く洞察する能力と努力が必要である。
そのような人物は、時代をも味方につけるのである……。
システムセンター社長
髙松 修身
Takamatsu Osami
心血を注ぎ失敗から逃げずに失敗を超える
コンピュータ関連のソフトウェア開発、技術者派遣を手掛けるシステムセンターは、昭和61年、名古屋で創業し、東京、大阪、さらに上海へと展開、世界を視野に入れ前進している。同社の特徴はフラットな組織力と〝技術者のレベルの高さ〞そして〝信頼〞の二文字が重く深く存在するという事である。これらの特徴を生かし陣頭指揮を執る高松修身社長が、企業経営という表舞台に登場したのは33歳の時だった。
当時から、同社長をよく知る経営者は、次のように評した。「高松修身社長は、創業者になるべくして生まれてきた人物だ。氏の何気ない振る舞いには、人を引きつける魅力と存在感がある。その上、極めて細やかな性格であるということだ。それは、人間性の根底の深さ、哲学的なものからきているのだろう。さらに氏の超人的な行動力を加えて、会社を発展させてきたのだ」
また高松氏は「僕は、ただ自分の感性で〝この人は〞と思えば、とことん〝信頼〞する、お互い信頼しきれたら、人は自ら動いてくれる。誰のまねでもない経営スタイル。企業が成長するためのエンジンは、数字だけではない。組織の方向性を明示すると同時に、相手を信用し、信頼することが大切。それが人とのつながりを強め、組織を動かす活力源ともなる」と〝人間力″ に心血を注いだ起業家ぶりを発揮しているのだ。
その理念こそ、〝コンピュータ経営資源供給企業〞として躍進する大きな牽引力となったのは間違いない。