「財界」2011.10.18号

地道に されど前へ 「難局に逃げない」

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

人間の勤勉さの度合いは文化によって異なるが、

平均的な労働時間はフランス人が年に1646時間、

アメリカ人が1957時間、日本人が2088時間だ。

勤勉ではあるが、〝お人好し〝といわれがちな、そんな日本人。

景気は依然として不透明。勤勉な日本人はさらに勤勉にならねばならない。

昨今のビジネス界のトレンドに、相次ぐ法廷闘争があげられる。

法律に基づいて透明、オープンに解決しようとするビジネス界の変化とも感じられる。

それはCSR(企業の社会的責任)と強く関連している。

企業がそのステークホルダー(利害関係者)に、

問題の解決過程をガラス張りにする責任はますます大きくなってきている。

そんな中、克己復礼を旨としている髙松氏のリスクヘッジは、目を見張るものがある。

十分に時間をかけた上で思い切って実行するその行動力には

〝スピード〝と〝異大な発想〝、それに、強い信念が伴う。

その言動、スピードには周囲も時に煙に巻かれてしまう。

髙松氏は常に社内、社外、同業他社、モノのトレンドに敏感で、

その洞察力を強力な武器としている。

「花をささえる幹、幹をささえる根。根は見えない」

地道に人をささえるシステムセンターはまさに根であり、

その真価を発揮する時代に突入した。

ホテルニューオータニ、ビジネスコート内にある同社のラウンジ。

酸素バーと“高月”もある、人と人とのいやしと交流の空間。組織の結束も強まる。

「財界」2011.10.04号

自己革新を社員全員の共通使命に

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

システムセンターは、本社を名古屋市中区栄のど真ん中に配する。

髙松氏は同社を設立して二十五年間、アグレッシブな毎日を積み重ねてきた。

立ち上げ当時、独壇場で〝技あり一本〞という様な

経営のきびしい時代をも乗りこえてきた。

そんな同氏は社の内外を問わず、人と接する時はいつも「自然体」で耳を傾ける。

「まず人の話をよく聞くこと。人の話を聞かない人は信頼できません。

自然体になれば、相手も見えてきます。社員教育も根本は〝素直な心〝です」(髙松氏)

「人」を大切にし、「礼」に報いる「心」を経営の根本として徹底的に貫いてきた。

結果、社員の定着率の高い、「フラットで、オープン」な組織が創られた。

社員一人ひとりがやる気と素直さを持って

自らの目標のハードルを高く掲げ仕事に注力できる環境を築きあげたのだ。

「社員全員が〈自己革新を共通使命とする〉ことから、

わが社ならではの人づくりが始まる。

〈謙虚で力強く〉という共通使命の積極的な推進が重要である」(髙松氏)

自己革新による人材育成と、エキスパートとの相乗効果が、組織を結束させた。

その根底に流れるトップの経営理念と自然体経営がビジネス界で勝ってきた原点である。