「財界」2024. 11. 20号

及ばざるは過ぎたるにまされり

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

企業トップの経営判断が厳しく問われる時代である。そんな中「マネジメントというものは、

個々の人の幸せをテーマにしていなければならない」(髙松氏)

「人の一生は、重荷を負ひて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。不自由を常に思えば不足なし、

心に望み起こらば困窮したる時を思ひ出すべし。堪忍は無事長久の基、怒りを敵と思へ。

勝つことばかり知りて負くる事を知らざれば害その身に至る。おのれを責めて人を責めるな、

及ばざるは過ぎたるにまされり」とは徳川家康の遺訓で、彼の人生観や人間像を読み取ることができ

る。

「及ばざるは過ぎたるにまされり」というのは、幸せは分にありということであり、

満足を知れということである。マネジメントの要諦も結局はそこにいたるのである。

人の幸せをベースに各人に「自分の分を知れ」「自分の使命をはたせ」「愚直に少しずつでも前へ進

め」と叱咤するのだ。

決して社員を一律に管理し、無理矢理にでも成果を出させようとするものではない。

このことを髙松氏は、自分にも言いきかせ〝一日一日を社員と共に生きている〞経営者である。

「財界」2024. 11. 6号

モノを失えば小さく失う。信頼を失えば
大きく失う。夢を失えばすべてを失う。

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

素早く深く、常に社内、社外、同業他社、

モノのトレンドには敏感でその洞察力を強力な武器とするシステムセンター。

緻密な情報収集力をもつアンテナがいつも張りめぐらされている。

鳥の眼では俯瞰から大きく急所をとらえ、虫の眼で人の心の機微までをも逃さず、

魚の眼で潮の流れ、すなわち中期ビジョンを察知する。

そのバランスが自然とリスクヘッジにもつながるのだ。

「あきらめたらすべては終わり。

自分であきらめた瞬間からどんな小さな夢もかなわないものになる。

成功者とそうでない人の違いは、あきらめなかったか、あきらめたかの違いだけ。

最後に成功するのは成功するまで挑戦し続ける人である。失敗したらもう一回やる。

また失敗したらもう一回やる。それでも失敗したら、またもう一回やる。

成功するまで何度でもやるだけの話です」(髙松氏)

それが37年間守りと攻めをくり返したシステムセンターの基盤を作っている。