「財界」2014.4.22号

本能で〝アリの一穴〞
28年の勘と経験がものを言う

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

ベンチャー起業家が兄事する一人に、システムセンターの髙松氏が挙げられる。

多くの人々を魅きつけるのは人を驚かせ琴線に触れホロッとさせる

同氏の奇抜な言動、気風の良さ、人情の厚さのせいだけではない。

会社を守り人を束ねる根本的な〝何か〞を学びたいからだ。

髙松氏の自訓は〝人の心は変わる〞。時に人は調子に乗り欲が出るもの。

そんな時こそおのれを戒めねばならないが、流れに弱いのは人の常。

だからこそ、人であれ組織であれトップの使命は大事に至る前に〝アリの一穴〞を逸早く探知する眼である。

穴が大きくなってから怒り心頭して地団駄ふんでも後の祭り、

企業も人も一瞬でフッ飛ぶご時世、誰もたすけてくれない。

「基本的には〝この人は〞と想えばとことん信用し信頼し裸の付き合いが始まり仕事も任せます。

私は人にも自分にも嘘はつきません。唯一嘘といえるのは、

人の言動でまだアリの一穴にも至らない小さなものは

気づいても気づかない振りをするくらいでしょうか(笑)」(髙松氏)

そのあたりのサジ加減はやはり28年にわたる経営の中での

破天荒な体験や失敗から生まれたものかもしれない。

髙松氏の「同じ失敗を二回繰り返さなければいいんだ、

何も難しく考えすぎる事はない」とつぶやいた言葉は自分自身に言い聞かせているようでもあり、

こちらの心にも響いた。

「財界」2014.4.8号

「決断と覚悟」の人生が
人の和の力を引き出す

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

新しい時代を迎え「一人ひとりは何ができるのか」というテーマに我々は対峙している。

自分は企業経営を通して社会とどうつながるのか。

常に自問を続けるシステムセンターの髙松氏は「決断と覚悟」の連続の人生である。

理想を求めて身を張って生きる。常に緊張感を持ち続ける人生である。

同氏は経営について大学や専門学校に入ったり、師について学んだというのではない。

学友や仲間と意見や考えを出し合って相互啓発をしてきたというのでもない。

すべて独学だ。

「わたしには完成形はないのです。

だから自分で考え続けなければならないところで生きてきたわけです。

社会のいかなる変動にもすばやく柔軟に対応できる組織があればこそ、

他社とは違った卓越性、特徴を強い武器にできるのです。

そのために、力があり時には癖のある人材を組織の中に活かすことも経営トップが注力すべきことです」(髙松氏)

彼の言葉は〝「和」とは個では得られない他とのめぐり合いで深い味を引き出す〞ことを示唆している。

同氏の生き様には今がある。ムーブメントにはスタイルがある。

けっして〝ぬるい〞生き方ではない圧倒的なエネルギーは、内からのフィソロフィーの噴出である。

言いかえれば自己をビジネスモデルとして完璧に成立させたのである。

人の〝和〞の力を引き出し複眼での多視覚がものをいう時代である。