「財界」2017.8. 22号

〝とことん尽くしまくれ〞
〝本音で〞ものごとにあたれ

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

尽くすこともなく与えられることばかりを求めている風潮。

または与えられることを目的に尽くす風潮。

そんな時代に反して常に自然体の髙松氏は

「各人が自分の本音で仕事をし、精一杯本心でものごとにあたれ」と気を吐く。

同氏は、1986年3月、名古屋でマンションの一室を借りて

8人でシステムセンターを設立。

勤倹力行、三十三歳のときだった。

結果として興した事業を地域に定着させ業績を大きく伸ばし有能な人材、

業務のエキスパートを彼の周りに集めることを実現させたのだ。

さらに人材のネットワークを組み事業をシステム化させた。

コンピュータのソフト開発という最先端の業務でありながらも、

人材の重要性を知り人情の機微を大切にし、

「礼」に報いる「心」の経営スタイルが誕生したのである。

「財界」2017.8. 1号

及ばざるは過ぎたるにまされり
愚直とも見える正攻法で一歩ずつ前進

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

企業トップの経営判断が厳しく問われる時代である。

そんな中「マネジメントというものは、

個々の人の幸せをテーマにしていなければならない」とはシステムセンターの髙松氏。

「人の一生は、重荷を負ひて遠き道を行くがごとし。

急ぐべからず。

不自由を常に思えば不足なし、心に望み起こらば困窮したる時を思ひ出すべし。

堪忍は無事長久の基、怒りを敵と思へ。

勝つことり知りて負くる事を知らざれば害その身に至る。

おのれを責めて人を責めるな、及ばざるは過ぎたるにまされり」とは徳川家康の遺訓で、

彼の人生観や人間像を読み取ることができる。

「及ばざるは過ぎたるにまされり」というのは、

幸せは分にありということであり、満足を知れということである。

マネジメントの要諦も結局はそこにいたるのである。

人の幸せをベースに各人に「自分の分を知れ」「自分の使命をはたせ」

「愚直に少しずつでも前へ進め」と叱咤するのだ。

決して社員を一律に管理し、無理矢理にでも成果を出させようとするものではない。

このことを髙松氏は、自分にも言いきかせ〝一日一日を社員と共に生きている〞経営者である。