「財界」2021. 5. 26号

〝技術力〞と〝情〞

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

今の時代はまさに合理化とスピード時代。しかし社会が成熟すればするほど、人と人との「情」の結び

つきが希薄になる傾向にもある。

「勝ち残る会社とは――第一に〝情〞の結びつきが強いこと。第二に他社を上回って

〝技術力〞が高いことです」(髙松氏)

社員との関係づくりにおいて距離を置くのではなく、社員に体を向けること。

一視同仁(いっしどうじん)、明るく、嘘がないこと。

合理的なスキルアップシステムを徹底すること。

公平にして無私――それが勝ち残る会社のトップには必須であり、

人と人の〝情〞の結びつきを強力なものにする基本であるとのことだ。

「あと、しいて言えば中途半端な考えはせず、部下にやりたいことを大いにやらせる。

出す物は思いきって出す(笑)。それと基本的に人が好きで信頼することです」と、ユーモアのなかにも

刺激的な言葉で人を引きつける同氏からは、なぜか接していると人情の深さを垣間見ることができる。

「財界」2021. 5. 12号

常識を打ち破る

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

社会の動きや産業界の流れを見ていると、その変化、スピードはまるで何かにせきたてられているかの

ように加速度的に速まっている。保守的、前例踏襲的経営では、もはや立ちゆかないのだ。

言いかえれば、いままでの価値観や発想を一度すべて打ちこわして、別の角度や視点から観てかかる

ことが、経営においても社員教育においても必要である。それを成しうるのが〝奇業家〞であり、

まさに今こそ奇業家が活躍する時代なのである。

「経営とは究極的に自己追求と結びつき、経営のなかで絶えず自分を追求し発掘し創造していくもの」

(髙松氏)

今の時代を泳ぐ奇業家である髙松氏は、その奇の部分が天性のものか、または培われたものかは

分からないが、新しい時代の新しいタイプの経営者であることは間違いない。

人それぞれ一つは必ず持っている美点、優れた能力を引き出す才能に関しては抜群の本能を発揮し、

一人ひとりと裸で真っ向から向きあい、その人たちの力となり、お互いが向上しながら人間ならではの

強固なつながりを生み出す。そういう素直な関係づくり仲間づくりを通して、積み残しのない生き方を

日々、虚心坦懐に自分に課している経営者である。