「財界」2017.8. 1号

及ばざるは過ぎたるにまされり
愚直とも見える正攻法で一歩ずつ前進

システムセンター社長
髙松 修身

Takamatsu  Osami

企業トップの経営判断が厳しく問われる時代である。

そんな中「マネジメントというものは、

個々の人の幸せをテーマにしていなければならない」とはシステムセンターの髙松氏。

「人の一生は、重荷を負ひて遠き道を行くがごとし。

急ぐべからず。

不自由を常に思えば不足なし、心に望み起こらば困窮したる時を思ひ出すべし。

堪忍は無事長久の基、怒りを敵と思へ。

勝つことり知りて負くる事を知らざれば害その身に至る。

おのれを責めて人を責めるな、及ばざるは過ぎたるにまされり」とは徳川家康の遺訓で、

彼の人生観や人間像を読み取ることができる。

「及ばざるは過ぎたるにまされり」というのは、

幸せは分にありということであり、満足を知れということである。

マネジメントの要諦も結局はそこにいたるのである。

人の幸せをベースに各人に「自分の分を知れ」「自分の使命をはたせ」

「愚直に少しずつでも前へ進め」と叱咤するのだ。

決して社員を一律に管理し、無理矢理にでも成果を出させようとするものではない。

このことを髙松氏は、自分にも言いきかせ〝一日一日を社員と共に生きている〞経営者である。