「財界」2009.07.21号

〝とことん尽くしまくれ〞
〝本音〞で、ものごとにあたれ

システムセンター社長
髙松 修身
Takamatsu Osami

兄二人と姉の四人兄弟の末っ子。父はとても厳格できびしく「男は後ろに引くな」という事を幼い心に叩き込まれた。〝命がけの闘争心!〞が小さい心に宿るきっかけとなり、「自分にも他人にもけっして嘘はつかない」を信条とする。
〝人は常に裸になれ〞と多感期に心身共にしみこむ。高校卒業後、さまざまな業種の職を経験、多くの個性的な経営者に仕えた。一九八六年二月、名古屋でマンションの一室を借りて、八人でシステムセンターを設立。勤倹力行、三十三歳のときだった。

事業を興した際、まず顧客と同僚を喜ばすことを第一義と考えた。人を魅きつけるコツを知悉している彼は、事業者や経営者、従業員の心をつかむことに砕身努力した。個人の魅力を、企業としての輝きへと昇華させることに成功したといえる。
結果として興した事業を地域に定着させ、業績を大きく伸ばし、有能な人材、業務のエキスパートを彼の周りに集めることを実現させたのだ。さらに、人材のネットワークを組み、事業をシステム化させた。日本全国、さらに中国上海へ展開。

これまでに、本を三冊出版し、モンゴルでの記念切手に当人自身の顔が登場、映画も二本プロデュースした。すべて人をテーマにした結果である。

コンピューターのソフト開発という最先端の業務でありながらも、人財の重要性を知り、人情の機微を大切にしてきたのは、やはり過去の経験が蓄積されているからだろう。

「人」を大切にし、「礼」に報いる「心」の経営が、誕生したのである。
〝机上の論〞より〝人と会え〞。〝理論〞より個人的な人間としての魅力、いわば〝内面的パワー〞が経営を成功へと導いてきた。これからもますます、進化する起業家は、人を魅了し続ける。