「財界」2012.04.03号
事業の高度化は人情へと行きつく
システムセンター社長
髙松 修身
Takamatsu Osami
髙松修身氏の、元漫才師という異色の経歴がまず目にとまる。
笑いを高度化させると、笑顔や笑い声と同時にホロリと泣かせられること、
心の琴線に触れることで人をより深く喜ばせることができる、と辛い修業を通じて気づかされた。
人を魅きつけるコツを知悉している同社長は、事業者や経営者、
社員・スタッフの心をつかむことに砕身した。
個人の魅力を企業としての輝きへと昇華させることに成功したといえる。
結果として、興した事業を地域に定着させ、業績を大きく伸ばし、有能な人材、業務の
エキスパートを周りに集めることを実現させたのだ。
さらに人材のネットワークを組み、事業をシステム化させた。
コンピュータのソフト開発という最先端の業務でありながらも、人材の重要性を知り、
人情の機微を大切にしてきたのは、やはり過去の経験が蓄積されているからだろう。
コンピュータソフトの使い方や派遣する人材の優秀さや礼儀正しさ、
それを具現化させる高度な教育システムを充実させてきたのも、同様の理由によるものだろう。
一芸に秀でることで全人的な能力と思われてしまう、創業者が持つカリスマ性は、
ややもすると〝エゴ〞の香りを放つ。
しかしそれを進化させ、論理的整合性を持たせ、
その論理を超え人心を知り抜いた炯眼で束ねる髙松氏。
事業の高度化は人情へと行きつく。