「財界」2017.10. 3号
〝渾身(こんしん)〞という言葉の意味
〝覚悟〞という生き方
システムセンター社長
髙松 修身
Takamatsu Osami
世界の産業界は、若返りと国際化がさらに進んでいる。
社会が成熟すればするほど、変化の幅が激しければ激しいほど、
基軸がガンと定まった組織、芯のぶれないトップの理念が
企業の生き残りの決め手となる。
システムセンター髙松氏のその芯は、
鳳(おおとり)啓助氏の内弟子になった時から形成される。
時に二十一歳、八年間いた厳しい芸の世界では
「何ごとにも〝渾身〞でうちこめ」「〝覚悟〞を決めてかかれ」と教えられた。
それがどんなことでも渾身を込め、覚悟を決めれば、
人の心を打ち動かすものになると実感したのだ。
まさにそういう姿は美しいとさえ感じるものである。
挙措進退(きょそしんたい)にまで気配りの日々である芸の道において、
身と心にしみついた〝渾身〞の意味。
渾身とは、からだ全体、全身、満身をもって事に当たるということ。
そこに雑念はなく、保身もない。
ひたすらにぶつかっていく。
傍から見れば、こんなおそろしい奴はいない。
こうして、仕事においても人のつき合いにしてもビジネスにおいても、
その芯がぶれない基礎が創られた。
社員の仕事に取り組む姿勢や気構えにも、とても厳しく教育に注力する。
その結果、磐石な組織、変化に即対応できる芯のしっかりした組織ができ上がった。
同氏はさらっと言う。
「うそ、ごまかしのないのが、一番強いですよ」と。