「財界」2009.03.10号
「事業の高度化は人情へと行きつく」
システムセンター社長
髙松 修身
Takamatsu Osami
髙松修身社長の、元漫才師という異色の経歴がまず目にとまる。
笑いを高度化させると、笑顔や笑い声と同時にホロリと泣かせられること、心の琴線に触れることで人をより喜ばせることができる、と辛い修業を通じて気づかされた。
事業を興したときにも、まず顧客と同僚を喜ばすことを第一義と考えた。人を魅きつけるコツを知悉している同社長は、事業者や経営者、従業員の心をつかむことに砕身した。
個人の魅力を企業としての輝きへと昇華させることに成功したといえる。
結果として興した事業を地域に定着させ、業績を大きく伸ばし、有能な人材、業務のエキスパートを周りに集めることを実現させたのだ。
さらに人材のネットワークを組み、事業をシステム化させた。
コンピュータのソフト開発という最先端の業務でありながらも、人材の重要性を知り、人情の機微を大切にしてきたのは、やはり過去の経験が蓄積されているからだろう。
コンピュータソフトの使い方や派遣する人材の優秀さや礼儀正しさ、それを具現化させる高度な教育システムを充実させてきたのも、同様の理由によるものだろう。
一芸に秀でることで全人的な能力と思われてしまう、創業者が持つカリスマ性は、ややもすると〝エゴ”の香りを放つ。しかしそれを進化させ、論理的整合性を持たせ、その論理を超え人心を知り抜いた炯眼で束ねる同社長。事業の高度化は人情へと行きつく。