「財界」2013.9.10号
人の〝痛み〞が分かる『人蕩し』の名人
システムセンター社長
髙松 修身
Takamatsu Osami
「人蕩し」というと人を思いのままに利用し、
人を虜にしてしまうがごとく誤解されやすいが、さにあらず。
たくさんの人々を味方にし信頼され、それを持って自分の思い描く
事業の夢や目標を確実に達成する。
また「人」に自信やエネルギーを与え
やる気を引き出す〝力〞をも秘めていなければならない。
「一人ひとりが人間として持つ可能性は想像以上に大きくて深い。
それに対して畏敬の心を持って相手を信じ続けることも、
これを開花させる大きな鍵です」(髙松氏)
歴史をふり返ると豊臣秀吉、本田宗一郎、田中角栄などまさに「人蕩し」の天才といえよう。
言動に強い説得力があり人心収攬に長けている、というだけでなく懐がとてつもなく深い。
いい組織には必ず個性の強い人材を受け入れて生かすという懐の深さが必要であるが、
髙松氏にはその深さがあるのだ。
特記すべきはそうした個性の輝きをどのような共通の目的に向かって〝協働〞に誘うかである。
要になるのは単なる私利を超えた志である。
しかし、志やビジョンは抽象的な夢物語や力のみの中では生まれない。
「痛み」を自分事とする感性とこれに応えようとする意志がその源である。
誰よりも「痛み」の分かる男であり「人蕩し」の名人だからこそ、
このリーダーの生き方がそのまま同社の結束に結実している。